ボクサーがリングに登場する時、その人のテーマ曲が流れる。
本人が自分の好きな曲を選んで決めているのだ。
その曲が流れると元気と勇気と闘争心が沸いてくるのだろう。
それと、同じように、みんながみんな、自分のテーマソングを持っていると面白い。
朝起きるときや、仕事を始める時に、自分のテーマソングを流す。
男と女が出逢った時や、見合いの席や商談の時など、
まず第一声が「あなたのテーマソングは?」と訊き、
そこから話が始まるのだ。
星座と血液型とテーマソング。
これだけあれば、なんとなく友人になれるかなれないか、
分かるような気がしてくるのではないだろうか。
萩原朔美 著 「毎日が冒険」より (三月書房)
<「コミュニケーション」を体得する大切さ>
人と人とのコミュニケーションは生活していく上でとても大切なことであります。
意思を伝え合い相手を理解しようとする心を持つ、ということ。
昨今、友達や親子、そして仕事の関係の間でもそんな些細なことが少し薄れつつあるのではないか、という気がしています。
今の祖父母の代位からでしょうか、俗に核家族と呼ばれている1家族単位が家族ということになり、一族が同居するということも少なくなり、あるいはいろいろな事情で難しくなってきている気がします。赤ちゃんが生まれればお祖母ちゃんが面倒をみたり近所の人があやしたり、また、お爺ちゃんお婆ちゃんの世話は子や孫がみたりと、一族の中で支え合うという基盤が、社会へと繋がり広がっていくのが本来のシステムであったに相違ありません。
しかし、そんな糸が、今は、途切れてしまっているケースが多いのではないか。
これは、人間の生態系というものが少しずつではあるが変化していくことになるでしょう。
それは、日常、添加物の入った食物を食べ続けると人は一体どうなってしまうのかを危惧することにも似ているかもしれません。
伝える・教えるという伝承作業をしながら、大きな単位での生活者として生きていくための「新たな」指針をわれわれは提示していければと考えています。
きっとそれが、皆の うれしいに繋がっていくはずだと思うからです。
草川 一
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