2006年 3月

写真家・高砂淳二さんの「ナイト・レインボウ」という作品群を、スライド映写して多くの人に見ていただきたいな、と言うのがこのプロジェクトのそもそもの発端でした。そして、この写真を撮るきっかけになったのが、ハワイのカフナである、カイポ・カネアクアさんであることも、高砂さんからお聞きしていました。そこで高砂さんにそのイベント開催に際し、「カイポさん、来日していただけないですかね?」とご相談したところ、高砂さんの心あるお計らいによりカイポさんに快諾していただき、この企画が実現しました。才能ある民族音楽家・若林忠宏さんも参加していただけたことは、無上の喜びでした。
また、この縁がきっかけで、カイポさんは9月に再来日。9月23日に産科医・竹内正人先生主催による、カフナカンファレンスを開催。またも、好評を博しました。


フォトセッション「ナイト・レインボウ」
ナビゲーター:高砂淳二(写真家)

ハワイで古来より「最高の祝福」と言われている「夜の虹・ナイトレインボウ」や、さまざまな自然の情景を投影しながら、高砂淳二が、その意味や、美しさや、撮影秘話などを語ります。

 

トークショー「ハワイの叡智に耳を傾ける」
出演:高砂淳二(写真家)、カイポ・カネアクア(ハワイアン・ヒーラー)

ハワイに昔から伝わる、薬草、ロミロミ(マッサージ)などにより、病気の人を癒し、精神文化を広めるカイポ・カネアクアをハワイより招き、古代ハワイアンに深沈と受け継がれてきた叡智に耳を傾けながら、われわれの遺伝子にも組み込まれているであろう、母なる大地の教えを蘇えらせていきます。カイポ・カネアクアをハワイの師と仰ぐ、写真家・高砂淳二がフォトセッションに引き続きナビゲーターを務めます。

 

音楽演奏「スローミュージック」
演奏:若林忠弘(民族音楽家)

世界各国の民族楽器を弾きこなす民族音楽センター主宰・若林忠宏の音楽演奏です。地球との繋がりを取り戻し共に生きるのが「スローライフ」なら、そのBGMは民族音楽、すなわち「スローミュージック」なのだと氏は語ります。インド音楽からアフリカ太鼓、ギリシア演歌にアラビア音楽まで世界の楽器を操るカリスマ演奏家、自称「民族音楽カメレオン」多種多様な民族音楽の演奏を堪能していただきます。また、民族音楽や民族楽器の歴史や魅力なども大いに語ってもらいます。

何とも活きのいい舞台である。終始、爆裂して弾き飛んでいくかような躍動感に満ち満ちている。それは、役者の「気」が起因するのであろうか。これまでに無い歌舞伎を作り出そうという心意気が、役者同士の中にも連帯感として生まれ、その強固な連携が、決して舞台の何処にも隙を作ることをさせず、濃密な純度にまでステージのボルテージを上げているのだ。

歌舞伎という枠を借りた現代劇と言えなくもないが、ジャンルなど関係なく、観客が面白いと思うものを作りたい、と言う染五郎の言葉通りに、ただひたすら笑い楽しませることに徹したエンタテイメントとして、成功していたと思う。故に、新しい歌舞伎、が誕生したとも言えるのではないか。どんな世界においても、先駆者たちは、狭いムラ社会を凌駕し、新しい地平へと邁進して、境界をどんどん越境してしまっているではないか。ただ、達人たちは、何でも軽々飛び越えているかに見えてしまうが、それは技、があるからで、底辺での努力や葛藤は想像に難くない。でも、本人たちにとっては、それもまた楽し、なのであろう。

のらりくらりとその日暮らしを続ける中山安兵衛が、契りを交わした叔父の六郎左衛門の、果たし合いの決闘の場である高田馬場に助っ人として駆けつけるという大筋に、安兵衛の回りの人々の人情話が絡み合う。

安兵衛を演じる染五郎には華がある。所作も見栄も格好良く、また、二役を演じるのだが、そのくっきりとした演じ分けの妙が笑いを誘う。当然、早変わりに、観客も沸く。亀次郎も三役演じるが、立役も凛々しく、女形も可憐である。勘太郎は、心に表裏ある大工の役を振られるが、持ち前の明るさが功を奏して決して悪人にはならず、逆に、ステロタイプではない人間臭さが立ち上がる。萬次郎には笑わせられた。元々、台本自体がコメディリリーフの役回りとして描かれているのだが、色気付いた健脚な婆を嬉々として演じ、高田馬場行きの遅れを取ってしまうシーンなどは、見事、舞台の上から下へと、川に流され皆を追い抜いていく様に、大爆笑であった。しかし、なんせ、歌舞伎座という大舞台で勝負をしてきている役者たちである。その威力で400強キャパシティの劇場に臨んでいる訳ですから、もう、坩堝というか、虜というか、目は舞台に釘付けです。

舞台も終盤を迎え、高田馬場を目指すシーン。役者一同、舞台端に横一列に並び、駆け続ける様に、ジーンとしてしまう。駆けつける熱い思いが視覚的に飛び込んでくるからだ。そして皆を乗せて舞台が迫り上がると、やんやの拍手。その後、染五郎だけが、舞台中央で走り続けるが、その韋駄天走りの格好いいことと言ったら…。

廻り舞台を、見事、話の展開とシンクロさせフラッシュバックのような効果を出したり、ブレヒト幕なども取り入れスピーディーな舞台転換を図るなど、台本のみならず演出的にも見所満載に仕上げた三谷幸喜の才能は、各部門の才能を上手く引き出し、コントロールすることにも長けていることが証明された。

終演後、隣の席の方に話し掛けられた。「面白かったですね。」と。そんなことも珍しいが、何だか、名残惜しさを感じてしまう位、熱かったんですよね、会場中が。祭りの後の一抹の寂しさを楽しみながら、思い出し笑いをこらえて、公園通りを下っていきました。

1992年に産声を上げたミュージカル「TOMMY」が、時を経て日本に上陸した。ケン・ラッセルの映画版は、(以前の)日比谷スカラ座(初日の第一回目に見に行った!)での公開以来、もう何回も繰り返し観続けてきた、個人的にはとても大好きな作品であり、このミュージカル版も、NYやロンドンで公開されている時期に、何度も観に行こうかと思った位であった。

また、10年程前に勤務していた広告代理店時代、このミュージカルを招聘する話があり、勝算は如何にと会社の代表者に聞かれたことなども思い出す。今回、協賛社で名を冠している企業名を見て、ある感慨を抱いたのは、きっと、私くらいではないだろうか。

ステージは紗幕が掛かったまま、どのように男女が知り合い、恋に落ち、子を孕み、男が戦争へと駆られて行くのかを、スピーディーに見せていく。正面奥に組まれたイントレの上にバンドが控えており、青年時のTOMMYを演じる役者が、そこで歌いながら物語は進行していく。高音域の声が出ないのが少し気になるが、ロジャー・ダルトリーのようなアーティスト自体が稀有な存在なのだろうし、これは、ミュージカル版なのだと思い、進行を見つめていく。

帰還した父が母の愛人を殺し、それを見ていたTOMMYに、何も見ていない、何も聞いていないと強烈に詰め寄るシーン。目・耳・口の3つの感覚を封じ込めてしまうクライマックスである。これが、意外にあっさりとしている。両親は、TOMMYに対してあまり問いかけない。今の状況を、どちらかと言えば、観客の方に訴えかけてくるといった具合である。見方によっては、幼児虐待という風にも捕らえかねないところを、サラッと流している感じがする。まあ、観ている方も、流れに沿って見てしまうが、やはり、ブロードウェイを通過してきた作品には、誰が見ても嫌な気分にさせないという配慮が行き届いているとも言える。

このサラッと感は、他の人物造型においても同様な感じを受け取ってしまう。従兄弟のケビンも、暴力的な身振り手振りで荒くれるが、決して行動で暴力は振るわない。アーニーおじさんも、ゲイであることを強調するよりは、足が不自由なため孤独を募らせる悲哀を感じさせ、同情すら誘う演技である。しかし、強烈な個性をガンガンとプッシュしていく方法だと見えてこなかった、登場人物たちの側面が自然と立ち現れてきて、深い人物洞察がされているのだという感を強くした。人物の心情をつなげていくのだ。

ピンボールに接することで五感を開放されるTOMMYであるが、そのピンボールのシーンの群舞などは、さすが、ブロードウェイであると感心してしまう。男女のアンサンブルが歌もダンスも見事で、隙がない。衣装の色やスタイルのバランスも素晴らしい。

ラスト。全員が白い衣装を身にまとい、「リスニング・トゥー・ユー」を歌い上げるシーンは感動的だ。いろんな辛いことや悩みがあろうとも、明日に希望を託していくのだという決意。時を経ても全く色褪せない傑作スコアを体感出来たことの喜びを感じた。今観て、今感じる何かを大切に生きていこうなどと、多少、感傷の混じった感激を胸に、劇場を後にした。

著者:菊池木乃実  発行:角川書店


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退行催眠(ヒプノセラピ-)のセラピストである友人の中野さんの紹介で、
この本と出合うことが出来ました。

かねてから中野さんと著者の菊池さんとは知り合い同士だったのですが、
ポールさんの日本での講演会にふたりで一緒に行ったことが、
ポールさんと出会うきっかけになったということです。
そして、それが縁で、ポールさんと菊池さんは、昨秋ご結婚されたのだそうです。

そういう経緯の中から、この本は生まれました。

ポールさんの人生前半は華麗で豪奢な生活に彩られていました。
シェフとして豪華客船で世界中を巡り、
下船した後は、カナダの大富豪の運転手として、
絢爛豪華な生活の日々を過ごしていたといいます。
しかし、そんな裕福な生活への興味を急激に失ったポールさんはアイスランドへの旅に出、
そこで、ある啓示を受けるのです。

以降、ポールさんは身ひとつで世界を歩いて渡り、
人々と出会い、地球の素晴らしさを説き、その地に植樹をしていくのです。

壮絶ではあるが、受身ではないので、悲惨さは全くない。
自分は地球に生かされていると明言するポールさんに、決して迷いはないのです。

是非、ご一読をお薦めします。
貴方の、モノの見方や人生観が変わる、きっかけになるかもしれませんよ。

近々、私共のイベントにご登場いただく予定にもなっています。ご期待ください。

クサカワ ハジメ

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