No.008

 
だから落語は面白い!
 
 
勝沼紳一氏、渾身の作! 
落語好きを称する氏が、永年温めていた「落語」という牙城にPOPに斬り込んだ快作である。お勉強臭いのは止めようね、が企画コンセプトの発端。そこから、新たな視点を切り開いていった。

落語って下世話だよね。でもその庶民感覚が面白いんだよね。今で言うと週刊誌みたいなもの? だったら表紙なんかも見るからに雑誌風にしてしまうってどうよ? インタビューも入れたいね。二つ目の若手落語家のぶっちゃけ話なんて聞いてみたいよね。んー、でも可能なら、大御所の話も掲載したいよね。

アイデアはブレストする内にドンドンと広がり、企画の構想が固まっていった。

面白いものだが、練りに練った企画というよりも、アイデア先行で走りながら考えていく中で、思いが全て実現していったんですね。これは、その渦中(氏と私)に居ることでその醍醐味を味わうことが出来ました。

橘家円蔵師匠にインタビュー出来たのも、ホント、幸運でした。駄目もとで事務所に何度かご連絡をするものの、電話は転送になり繋がらず! これは、ご縁がないのかなと思っていたところ、ある日、ヒョイとご本人が電話口に出られた。それから、話はトントン拍子に進み、タップリと、深く、ぶ厚い、お話が聞けました。インタビュー内容は、是非、本誌をお読みくださいね。師匠の半世紀でもあり、昭和の芸能史にもなっています。これ、永久保存版ですよ、マジに。

いろいろな方のサポートがあり、実にいい本に仕上がりました。最終校正での、版元の責任者の方の細かな校正などには、頭が下がる思いでした。プロの技を間近で拝見させていただきました。こういう文化は、ホント、伝承していかなければなりませんです。

また、ひとつ、私たちにとっての、宝物が産まれました!

クサカワ ハジメ